2017年12月13日

オートバイに轢かれに行ったおばあさん

 墓場の散歩道を歩いていてふと思い出したのがウン十年前の年末の頃
商店街は今のシャッター街と違っていて雪が降って寒いというのにどの店もドアは開けっ放しでダルマストーブが真っ赤になるまで火をおこし店員さんは凍える手を擦りながら「いらっしゃいませ、いらっしゃいませ!」と声を張り上げていた。
 私はお菓子屋さんの餅配達のアルバイトを終わり家路を急いでいた。
雪は深々と降り、6・70m橋の向こうからホンダのカブ号が走ってきた。
道路は踏み固められた路面と店の明かりと街灯で真っ白に輝くような美しさであった。

 私のそばにいたおばあさんが吸い寄せられるように急に道路を渡りだした。
「危ない!」と声をかけた時にはオートバイと衝突をしていた。
運転していたのは知り合いのKさん。
おばあさんの首付近を押さえて「おばあさん、おばあさん!」と叫んでいた。
 そのうちに手袋の隙間から真っ赤な血が流れだしあたり一面円を描くように雪の路面が真っ赤に染まっていった。
小学校5年生だった私はお年寄りからあんなに大量の血が流れ出るものだとは思わなかった。
真っ白な雪面に記すように鮮やかとも思える赤く円形に染まったおばあさんと泣き叫ぶKさんの姿を今も鮮明に思い出している。

 買い物客たちはそれぞれのお店のストーブで暖をとっており、その時間帯は全く車は通っておらず、そこだけポッカリと開いていたのはおばあさんとオートバイのためのステージのように思えた。
あの時おばあさんがわざわざオートバイにひかれに行ったのではないか。
死神に引かれるという言葉があるが、まさにそれだったような気がする。
posted by 木漏れ日 at 14:34| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月01日

酒癖色々

日馬富士が引退を余儀なくさせられた。
感情が激しても自分をコントロールできる人
コントロールのできない人もいる。
過去を振り返ってみて、いろいろなタイプの人と接することがあった。

Aタイプ:普段は人当たりがよくて「仏さんのような人」
     アパートの隣に住んでいたAさんは真面目で穏やかな小柄な人であった。奥さんはそれと対照的でガサツでガラッパチの大柄な女性。普段は夫婦仲がよくて微笑ましいくらいのご夫婦であった。
ところがお酒を飲むとガラリと人が変わり
「殺される〜! 助けて〜!」の声
小柄なご主人が出刃包丁を持って、大柄な奥さんを追い回している。
同じアパートの人は”また始まった”とばかりに知らん顔
警察官もいたがいつの間にか姿が見えない。
ひと騒動終わった後は薄い壁一枚の私の部屋はピンク色の声が響き渡り聞いてられない状況でした。

Bタイプ:仕事をソツなくこなし、普段は礼儀正しくトラブルもない頼りになる男であった。
故郷には父親と障害を持った妹がいるという話であった。
ところがこの男 お酒を飲むとコロッと性格が変わるのだ。
私の職場は男気を大事にする所があり、「いつでも酒を飲みに来い」といったことがあった。
夜中の12時に電話があり「いま2丁目の飲み屋にいるのですが、お邪魔してもいいですか」
私は「いつでも酒を飲みに来い」と言っていたこともあり、「いいよ」といったら5分もしないうちに訪ねてきた。
女房は夫の職場の人でもあり粗末にできないと思ったのか、急遽 酒の肴をテーブルいっぱいに並べて歓待した。
この男 酒が入ると言いたいことをいうタイプ
最初の頃は「この酒は旨いですね」とヨイショをしていたが、
そのうちに目が座って来て、仕事の愚痴から始まって我が愛妻に足が太いだとか言いたい放題
そろそろ限界が来たので「おいもう2時だし終わりにしよう」というと素直に帰った。
次の朝仕事場に行くと私の部屋の前で最敬礼して待っているのだ。
私の顔を見ると「昨日は申し訳ありませんでした!!!」というので「昨日はお互い随分と飲んだなぁ」で収めた。
ところがまた夜中の12時になると 昨日と同じセリフで「いま2丁目の飲み屋にいるのですが、お邪魔してもいいですか」
わたしも太っ腹のところを見せなくてはならないので「あぁ、いいよ」と言ってしまった。
 
 また昨日と同じで第二ステージが始まった。
今日は酒を飲むピッチが速い・・・。
ニコニコ笑っている女房に服のセンスがどうのこうのと言いたい放題
私はたまりかねて「お前のために酒の肴を作ってくれているのだから、たまには女房にヨイショぐらいしろよ」といったら「そうですね」といった舌の根も乾かないうちにボロクソに言い始めたのでもう2時だから終わりにしようと言ったついでに「2日続けての酒飲みはキツイので少し間を開けよう」と云って帰した。
出勤するといつもの最敬礼が待っていた。

 我が家には夫婦間の約束がある。
結婚時に云った「どんなときでもお客さんには嫌な顔をしない」と約束していたので、この時も見事にこなしてくれた。
ところが
この酒飲みは一日だけ開けてまた来たので、普段酒を飲まない私には相当堪えたので、服務指導を担当する係に事情を話し対応してもらった。
これで夜中の酒飲みタイムは終了したのである。

 酒癖の悪い男は心のオリを持っており普段は我慢してよい人を演じているのである。
一般的に真面目な性格で物事に一生懸命な人の共通点かもしれないね。
日馬富士もそうだったかもしれないね・・・。




posted by 木漏れ日 at 13:04| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする